テキスタイル展:Johtolanka 解決への糸口 


近頃、なぜかテキスタイル関係の展示会が多い様な気がします。メールでメッセージを送り、ネットで買い物をし、支払いを済ませ、新聞を読み。。とデジタルが暮らしを占領しているので、素材感が気持ちいいのでしょうか?私は昔も、今も、素材感が好きですが。。笑

少し前ですが、Johtolankaヨフトランカ展に行ってきました。ヘルシンキから電車で1時間30分ほどで行けるタンペレという街でありました。
この会はフィンランドのテキスタイルアーティスト協会の設立60周年を記念し開催されたもので、Johtolankaとは直接にはリードという意味ですが、普通は推理小説などで使う「解決への糸口」といった意味で使われる言葉です。意味深でインスピレーションを刺激するテーマだと思います。

Johtolanka näyttely 23.9.2016-5.2.2017, Vapriikki, Tampere
 全体的にとても見応えのある興味深い展示会でしたが、その中で私が個人的に気になった作品をいくつか紹介します。
Toivo/Hope 2013, Suvi Suikki

繊細な鉛筆書きのイラストと糸を針編みした面の組み合わせです。イラストだけでも魅力的ですが、そこに糸が「参加」することによって、その力が何倍にもなっています。

Mistä on pienet lapset tehty/What Are Little Children Made of 2013, Katja Luoto

一見素朴な古く懐かしい時代を思わせる可愛らしい刺繍。ところがよく見るとそこに書き込まれたメッセージは小さな毒を持った、どきっとさせるもの。そのコントラストが魅力。

Portrait Gallery 2015, Maria Nuutinen

古い時代の顔写真を(おそらくこの子が使っていただろう)と思わせるハンカチに転写プリントしています。通常写真がプリントされる素材は紙ですがそれが花柄のハンカチーフにプリントされることによって、ノスタルジー感がすごいです。
会ったことのないこの写真の人とその人の遺品を前にしている様な、その人の体臭まで漂ってくる様な生々しいものが感じられます。

今回のテキスタイル展では、半レディメイド的なアイデアが面白いものが気をひきましたがアイデアだけに頼らず丁寧な制作もしていて、共感、好感が持てました。
私が個人的に惹かれたのは、作品の中に「コントラスト」「意外性のある素材のコラボ」のあるものです。このテーマは今ちょうど自分にとってもポイントなので、やっぱりそういうところが気になってしまう様です。


最後に、帰りがけに通り過ぎたタンペレ大聖堂。

Tampereen Tuomiokirkko/タンペレ大聖堂©︎Midori Tsunoi 

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